「最大明るさの範囲」が広いとライトは使いやすい!
ライトはルーメン値やカンデラ値が高いほど高性能で使いやすいかと言ったらそうではありません!それよりも大切なのがこの「一番明るいところがどれくらい広いか」です。
ライトは主に一番明るい部分を明るくしたいところに当てて見えやすくして使うものですが、この時一番明るいところがとてもせまいとその周りの明るさと段差ができてしまいます。
この画像は極端な例ですが、これではあまり見やすいライトではありませんね。
ライトのルーメン値やカンデラ値が高いと光が多くて強いため、一番ライトが明るくなる光の中心のところがとびぬけて明るくなり、そこの光を当てたところが白っぽく色が抜けたように見えてしまいます。結局最も見たいところが正確に見ることができず、また、ライトの下で作業する場合には、その部分が特別まぶしく感じるためそこに近づくたびに幻惑されてしまいます。
一番明るいところが広ければ、そこが同じような明るさで照らされるので明るさの段差がなく自然な見え方になるだけでなく、その光の下で作業する場合も明るくなったり暗くなったりの変化が少ないので幻惑されにくく作業もしやすくなります。
実際に見てみるとよくわかると思います。次の画像のようなものが一番明るいところ、つまり「最大明るさの範囲」が広いライトの例です。
今はLEDタイプにほとんど換わりましたが、室内照明の蛍光灯の光がストレスなく快適なのは、光の最大明るさの範囲がとても広いからです。一番明るいところと同じくらいの明るさがあるところが広いので、明るさのつなぎ目に引っかかることなく快適に活動できますし、その範囲内にあるものがよく見えます。なお、蛍光灯の場合、遠くまで光が届かないので、室内など近距離用の照明が活躍の場です。屋外には向いていません。
最大明るさの範囲は暗くするとわかる
ライトの光が照射されたところを映した画像は、一見明るそうに見えても、実際に私たちがその場で体験するとそれほど見やすいものではなかったりします。
それは、最大明るさの範囲が、画像処理ででごまかせてしまうからです。具体的に言えば、撮った映像の明るさを上げて、全体を明るくしてしまうと、どこが一番明るい部分なのかわかりにくくなるのです。
ごまかしを暴くために下の画像を見てみましょう。
左右どちらも同じくらいの明るさのライトのように見えます。
では、画像の明るさを下げてみましょう。
さらに下げていきましょう。
一番明るいところがそれぞれ際立って見えるようになりましたね!
左の方のライトは、ちょうど真ん中に広い範囲で白い部分(最大明るさの範囲)が円状に浮き上がっています。とてもすっきりしていて見やすいことがわかります。この最大明るさの範囲が、そのライトによってしっかり見える範囲だと言ってもよいと思います。
一方、右の写真は一番明るく白くなっている範囲(つまり最大明るさの範囲)がとても小さく、しかもライトを当てたところの中心からも左側に大きくそれてしまっています。
これでは、光が当たっているところの明るさがばらばらで、そこにあるものを正確に照らし出すことはできませんし、その光の中での作業する場合も、明るくなったり暗くなったりで作業しにくいものになるでしょう。
人の目はこのような光の変化をとても敏感に感じ取っていて、「見やすいなあ」とか「見えにくいわ~」という感覚を無意識に抱きます。
ちなみに左側のライトがケリー電気のモデルK-96Xで、右側のものは作業灯の中でもそれなりに高級な部類のよいライトとされるものです。
明るさをアップしてごまかしてもダメ
たとえたくさんの光を出して「最大明るさの範囲」をごまかそうとしても、最大明るさの範囲はライトの構造によるものなので、一切変わりません。
残念なことに、意図的かどうかは別として「最大明るさの範囲」を光の量でごまかしている商品が多いのが現状です。
たとえ大光量で、例えば4000lmのライトだったとしても、最大明るさの範囲が非常に狭ければ、その一番明るい部分の明るさが押し上げられてさらに明るくまぶしいものになってしまいます。まぶしいと、人の目は瞳孔という光を受け取る穴を小さくして、入ってくる光の量を減らします。そのため、たとえライトが光をたくさん出していても人の目にとっては見えやすくならないのです。その上、明かりが強すぎるものは、他の車両の妨げや近所迷惑になることもあります。
最大明るさの範囲がライトの使いやすさのカギ
つまり、最大明るさの範囲が広いかどうかがそのライトの使いやすかどうかの一番の物差しになるのです。けれども、この範囲を広げることはライトにとってとてもとても難しいのです。なぜなら、繊細なレンズやリフレクター(反射板)の設計が必要になるからです。
仮に、最大明るさの範囲が小さいライトを使って、この範囲を広げようとしたなら、ライトを増やして最大明るさの範囲が横に並んで広がるように置いていくしかありません。ライトの構造を変えないで最大明るさの範囲を広げるには、そのようにライトの数を増やすしかありません。先の一般的なライトの画像例のようにほとんどのライトはこの範囲がかなり狭いので、範囲を広げるにはかなりたくさんのライトを並べることになります。逆に言えば、最大明るさの範囲が広いライトは、これが狭いライトの何個分もの働きがあるということになると思います。
例えば、商品棚のライトアップに使うライトの最大明るさの範囲が小さくいびつだと、商品をしっかり見た目通り魅力的に照らし出すことができません。また、懐中電灯のような光り方をするライトを室内用のシーリングライトに使う人はいないと思いますが(ムードライトとしてはいいかもしれません)、それは最大明るさの範囲が非常に狭いからで、明るさが段差になっているとよく見えませんし、目が疲れてしまうからです。商品棚のライトにも、作業用にも、照明用にも最大明るさの範囲の広いものが是非おすすめです。
お勧めのLEDライトK-96X
そんな最大明るさの範囲が相当広いお勧めのライトが先ほども登場したこちらのライトです。
非常に最大明るさの範囲が広く、商品棚用、ディスプレイ用、照明灯、作業用にも幅広くお勧めできます。